はじめに
最近、子どもがなんだか元気がない。
「疲れてるのかな?」そう思いながらも、深くは聞けずにそのまま時間だけが過ぎてしまう。
そんな経験、ありませんか?
実は、多くの子どもたちが言葉にできない“こころのSOS”を出しています。
今回は、親としてそのサインにどう気づけばよいのか、実際の研究やデータを交えてお伝えします。
●最近、子どもの様子がおかしいと感じつつもどうしていいか分からない方
●子どものこころのSOSに気づくヒントを探している方
子どものSOS、なぜ見逃されるのか?
子どもたちは、大人のように「辛い」「寂しい」「不安」と言葉で表現するのが苦手です。
特に日本では、感情を外に出すことが「わがまま」とされやすく、自分の気持ちを押し殺してしまう傾向があります。
子どもが感情を抑えたまま成長すると、青年期に不安障害やうつ病を発症するリスクが高まるとされています。
米国の心理学者 Dr. Paul Ekman の研究より
SOSサインは「行動」に現れる
子どもが発するSOSは、言葉ではなく行動の変化として表れます。
- よく寝ていた子が寝つけなくなる
- 食欲が急に落ちる、または過食になる
- 好きだったことに興味を示さなくなる
- 朝の登校前に「お腹が痛い」と頻繁に言う
- 表情がなくなる or 些細なことで怒る・泣く
これらは、こころが疲れているサインかもしれません。
子どもが話さない理由
「どうして話してくれないの?」と感じることもあるかもしれません。
でも子どもには、こんな思いがあります。
- 「親を心配させたくない」
- 「こんなこと言ったら怒られるかも」
- 「どうせ言っても変わらないし…」
特に、親が忙しくしていると遠慮してしまう傾向があります。
「親がストレスを抱えているとき、子どもは自分の感情表現を控える」という傾向が、7歳以上の子どもに顕著に見られたと報告されています。
アメリカ・UCLAの研究(2020年)より
親ができる“3つのこと”
①観察する力をつける
日々の様子を「当たり前」と思わず、小さな変化に気づくアンテナを立てましょう。
「最近よくため息ついてるな」「食べるスピードが落ちたな」など、些細な変化がヒントになります。
②否定しないで聞く
「そんなことで悩んでたの?」「気にしすぎじゃない?」
こういった言葉は、SOSの芽をつみとってしまいます。
まずは共感することを心がけてください。
「そうなんだ」「それはつらかったね」のひと言が、子どもにとっての“安心の扉”になります。
③毎日の「小さな会話」を大切に
いきなり「悩みはある?」と聞いても、子どもは戸惑ってしまいます。
それよりも、日常の中の雑談やスキンシップが心の土台になります。
- 寝る前に今日一番楽しかったことを聞く
- ごはんを一緒に作る
- 一緒に音楽を聴いて感想を言い合う
こんなささいな時間の積み重ねが、こころのSOSをキャッチする鍵になります。
海外の取り組みから学ぶ
■スウェーデン
→小学生にも**「こころの健康授業」**が取り入れられており、感情の名前を学び、自分の気持ちを表現する練習をします。
親と一緒にワークブックを読む時間も推奨されており、家庭での対話が制度として支えられているのです。
■デンマーク
→「幸福度世界一」の国とされるデンマークでは、「感情教育」がカリキュラムに組み込まれています。
子どもが「自分の感情に気づき、言葉にし、共有する」スキルを小さいころから学ぶのです。
この結果、いじめや孤立のリスクが低くなったという研究もあります。
おわりに
子どものSOSは、とても静かで、小さくて、気づきにくいものです。
でも、ママやパパが少しだけ立ち止まり、耳を傾けるだけで、
子どもの心は「ちゃんと見てくれてるんだ」と感じることができます。
完璧である必要はありません。
忙しくても、ちょっとでも「気づく力」と「受け止める姿勢」を持っていたいですね。
そして、もしどうしても分からないときは、このブログやSNSに頼ってください。
一緒に考えていきましょう。